2024/05/18
仁王門大修理現状報告 基礎部分の発掘調査とその後の進捗
令和5年度の国宝金峯山寺仁王門の修理事業では、門の基壇部分の発掘調査が行われました。その結果、差し銭や瓦の小片、焼成土の壁土、目薬瓶などの遺物が発掘されるとともに、基壇西側からは地山が検出され、東側を中心に創建当初の可能性がある盛り土が発見されました。
橿原考古学研究所による発掘調査 発掘された差し銭
また、素屋根内では、仁王門初層の天井部分にあたる天井組子(てんじょうくみこ)と言う部材や、斗(ます)などの組み物の修繕が行われています。
天井組子の修繕の様子 修繕中の斗
その他にも隅木(すみき)や虹梁(こうりょう)などの大径長尺材の実測調査や撮影が順次行われ、現在は、基礎部分に撮影台を設置して、仁王門初重の12本ある柱の撮影が順次行われています。
基礎部分に置かれた大径長尺材 撮影台の初重の柱
令和6年度は、令和5年度に引き続き発掘調査と、部材数の多い斗などの組み物の修繕作業や各部材の写真撮影等が行われ、木部組み立てに向けて着々と事業が進められています。